素材や大きさ

 

風呂敷の伝統的な色合いとして、かつては喜事を表し祝いに最適とされる「朱色」や、先方への敬意を表すとされる「紫色」、弔事に用いる「藍色」、慶弔両方に使える品のある「山葵色」(利休)、日本の伝統色である「えんじ」、などが主流でした。

 

又、「風呂敷」に用いられる文様には、各家の家紋や、花鳥風月等を題材とする日本独特の吉祥文様が用いられ、お馴染みの唐草文様の風呂敷などは明治から昭和に掛けて大量生産されていました。唐草模様は四方八方に伸びて限りが無く延命長寿や子孫繁栄を意味する大変縁起が良い印とされていました。

 

素材と風合いの面で伝統的な素材となるのは絹と綿で、これらは加工方法によって、独特の心地よい肌触りとなる「ちりめん」、家紋などを入れた紬(つむぎ)、夏用の着物と同様の絽(ろ)などの風合いが好まれていました。

 

現在もこうした風合いは愛用されていますが、これらに加えてレーヨン、ポリエステル、アセテートなどの化学繊維も多く使われるようになっています。風呂敷の大きさですが、風呂敷の原料が古くから幅が約35cm~40cmで長さ約12mとなる織物の一反をフルに利用して無駄無く裁断して仕上げるため、正確な正方形ではなく、若干の長短があります。

 

基本とする大きさは一幅と呼ぶ、短辺約34cm、長辺約37cm鯨尺九寸のもので、一反を五等分して縫製したものを六幅の一反風呂敷と言います。だいたい畳二枚分の大きさが最大で、現在の企画では、一幅の倍(面積で四倍)となる二幅(約68cm×約71cm)の、その倍の四幅、六幅と呼ばれる約204cm×207cmの整数倍のものや、中幅と呼ばれる約45cm四方、二四幅と呼ばれる約90cm四方が用意されています。結婚祝いやお中元などの慶弔用途には二幅や中幅が使われ、二四幅は買い物用となります。